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監査は重要な誤りがないことを確かめる

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監査は全体として財務諸表等に全体として重要な誤りがないかどうかについて保証を与えることを目的としています。

このことを極端に書くと、「細かい誤りを発見すること」は監査の目的ではないのです。そのため、(極論ですが)監査の過程で細かい誤りが発見され、それが財務諸表等上で修正されないとしても、監査上の問題とはならないのです。


監査人

もともと、会計の原則として「重要性の原則」というのがあり、財務諸表等に対する影響が小さいもの(重要性がないもの)については、本来の処理をせず、簡便的な処理で済ませてしまっても構わない、とされています。

簡便的な処理、というと聞こえはいいですが、これは、極端にいうと会計基準上認められていない処理、ということになります。

つまり、財務諸表等に対する影響が小さいものについては、好きに処理をしてもいいよ、というのが会計基準として定められているわけです。

もともとの会計基準が、そのように重要でない部分については、正しくない処理をしてもいいよ、と言ってしまっていることもあり、監査においても、個々の処理は誤っていても全体として財務諸表等に重要な誤りがないかどうかであるかどうかについて、チェックをすることとされています。


ちょっと、具体的に考えてみましょう。

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サンプルチェック

例えば、監査の過程で売上の計上額が誤っており、財務諸表等には売上高99億円、当期純利益2億円と書かれているにもかかわらず、監査をした結果、売上高98億円、当期純利益1億9900万円とすべきだったとしましょう。

このような場合、会社が財務諸表等を修正してくれれば全く問題はありませんが、会社が財務諸表等を修正しなかった場合でも、監査上は問題なし、とすることが通常だと思います。

なぜなら、投資家からみた場合、売上高1億円、当期純利益100万円の差で、投資判断が変わる、ということは通常ないはずだからです。

このように、監査人が監査をした結果、誤りがあることに気づいていたとしても、それが重要性がない場合には、不適正意見を出すことはありません(こんなことで不適正意見を出していたら、世の中のほとんどの会社は不適正意見を出されてしまうはずです)。


では、誤りの金額がいくらになったら、不適正意見を出すことになるのか・・、というとケースバイケース、ということになってしまいます。

ここが、監査の難しいところです。


いずれにしても、適正意見が出ている財務諸表等であっても、誤りがある場合があり、しかも監査人がそれに気付いている場合も往々にしてあるのです(しかも、これは監査基準で認められていることなのです)。

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