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売上計上時期の判断は簡単ではない−その2

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売上をいつ計上すべきか?また、何が売上なのか?これは、永遠の課題です。

例えば、売上基準として出荷基準を採用しているA社は、次のようなケースはどのように会計処理を行えばいいでしょうか?

例1:100円の製品を3/31にB社に向けて工場から出荷し、B社には4/1に到着した。

製品出荷・売上

この場合には、3/31付で下記の伝票を起票することで異論はないと思います。

3/31 「売掛金 100円/売上 100円」


では、次のようなケースはどうでしょうか?

例2:100円の製品を3/31にA社営業所に向けて工場から出荷した。A社営業所に4/1に到着。A社営業所では、4/5まで保管した上でB社に製品を持ち込んだ。

製品出荷・売上

さて、この場合には、A社からの出荷日は、A社営業所からB社に物を持ち込んだ4/5と認定することに問題ないと思うので、売上計上日は、4/5となります。

4/5  「売掛金 100円/売上 100円」


では、今度のケースはどうでしょうか?

例3:100円の製品を3/31にA社営業所に向けて工場から出荷した。A社営業所に4/1に到着。A社営業所ではその日(4/1)のうちにB社に製品を持ち込んだ。

製品出荷・売上

これについては、皆さんどう思いますか?

これは、ちょっとやっかいです。

何が出荷なのか、というのに判断の余地が出てくるからです。


たとえば、A社営業所に出荷した理由が「A社営業所で在庫を持っておいて、B社からの指示に従い、その都度納入する取り決め」になっていた場合。そして、今回は、たまたま4/1に納入指示を受け、A社営業担当者が持っていったとしたら・・・、出荷日はA社営業担当者がB社に製品を持ち込んだ4/1ということになりそうですよね。

ところが、「B社に対しては営業担当者が直接持っていくきまりになっていて」常に、A社工場→A社営業所→B社というふうなルートで製品を出荷している場合・・・、この場合は、出荷日はA社工場から製品を出荷した3/31と言ってもよさそうです。


同じ客観的事実(3/31にA社工場出荷、4/1にA社営業所出荷、4/1にB社到着)であっても、売上計上タイミングが変わることもないとはいえないのです。


会計処理は、事実に応じて、ただ一通りの経理処理しかないわけではなく、実際には会計慣習+会社の判断により、どのように処理がなされるかばらつきがあるものなのです。

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