売上計上時期の判断をどうする?
売上をいつ計上すべきか?また、何が売上なのか?これは、単純なようで実は難しいのです。
例えば、製造業を営むA社(3月決算)が物をB社に販売する場合、次のようなものは、どう処理するか考えてみてください。
例1:100円の製品を3/31にB社に向けて工場から出荷した。

さて、A社では、どのように会計処理をすればいいでしょうか?
これだけで会計処理がわかった!!という方は会計のことを全然わかっていません。
というのは、会計処理をするには情報が全く足りないからです。
まず、この会社の売上計上基準がわからないと、売上を計上するタイミングはわからないはずなのです。
売上取引は、通常、下記のようなプロセスで進んでいきます。
- 受注
- 製造
- 検査
- 出荷(ここまでA社の行為です)
- 引渡(物はB社に動きます)
- 検収(B社の受入検査が完了したことをいいます)
- 請求
- 入金
売上計上基準というのは、その名の通り、上記のように売上取引が進んでいく中のどのタイミングで売上を計上するか、ということを差しているのです。
ところで、製造業で使われる売上計上基準のうち主要なものとしては、下記の3つがあります。それぞれ、下記の行為が終わった時点をもって、売上を計上する方法です。
- 出荷基準
- 引渡基準
- 検収基準
これをふまえて、情報をもう少し足してみましょう。
例2:100円の製品を3/31にB社に向けて工場から出荷し、B社には4/1に到着した。A社は出荷基準により売上を計上している。

ここまで、情報が出そろえば、とりあえず、3/31付で下記の伝票を起票することになります。
3/31 「売掛金 100円/売上 100円」
ところが、A社がもし、売上計上基準として引渡基準や検収基準を採用していると、この取引で3月には売上は計上されません。
同じ事実であっても、いつ、伝票を起票すべきかが、全然違う場合があるのです。
もっとも、今回の例では、事実認識+売上計上基準の認識が合致していれば、売上を計上するタイミングは誰からみても同じになりそうです。
ところが、話はこれでは終わらないのが会計のやっかいなところです。