監査って何をやるの?
監査って何をやるの?と聞かれても、ほとんど的はずれな指摘が多いことは、非常に悲しいものがあります。
監査の一般的なイメージ?
よく聞かれるのが、「監査って毎日会社に行って帳簿と伝票をひたすらチェックしているんでしょ?」というもの。
確かに間違えではありませんが、正しい認識を持っているとも思えません。
そこで、まずは、投資家が目にする財務諸表等が、いったいどのようなプロセスを経て作られているかを簡単に説明します。
財務諸表等を作られるまでには、
- 伝票・帳簿等に反映すべき事実を認識し、伝票にどう起票すべきかを決める
- 事実に基づき伝票を起票する
- 伝票集計し、仕訳帳・総勘定元帳等を作成する
- 仕訳帳・総勘定元帳等を元に、財務諸表等を表示する
というようなプロセスを経て、作成されます。
冒頭の「監査って毎日会社に行って帳簿と伝票をひたすらチェックしているんでしょ?」という発言は、これらのすべてのプロセスを機械的に行うことができる、ということを前提にしている気がします。
でも、実際には、上記のプロセスのうち1,4は、機械的に行うことができません。もちろん、これらの大部分は、機械的に処理をすることができるのですが、粉飾の温床となるような事項は、大抵、機械的に処理できない部分なのです。
また、あなたは、このうち2から3のステップをチェックすることが監査だ、と思っていた方もいるかもしれませんが、監査では、そんなところは重視しません。
なぜかというと、コンピュータで会計を行っている限り、通常、伝票と帳簿の内容は絶対に一致するからです。手作業(エクセル服務)で会計を行っている部分を除き、伝票と帳簿が合っているかどうかをチェックする、ということに実質的意味がないのです。
監査の本当の姿
むしろ、公認会計士が監査をする上で重視するのは、1番目の「伝票・帳簿等に反映すべき事実を認識し、伝票にどう起票すべきかを決める」の部分です。
この過程では、非監査会社の現業部門・経理部門等と話し合い、事実関係を聞いていきます。
その結果、適用すべき会計基準を判断できるわけです。
さらに、会計基準には解釈の余地があるものも多いので、事実に合うように適切な解釈をすることで、はじめて会計処理が正しいか正しくないかの判断ができるのです。
さて、次ページ以降では、上記のステップの中の「伝票・帳簿等に反映すべき事実を認識し、伝票にどう起票すべきかを決める」にスポットをあてて考えていきたいと思います。